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今日の思いつき。

Posted on 2020-01-302020-01-30 by いわた ごう

2020年 1月 30日(木)

FacebookやTwitterなどのSNSでは、週末のマラソン大会が終わった後やマラソン大会翌日の月曜日には大会の反省がタイムライン上に溢れ返っている。

レース中の反省は「後半に失速してしまった」だとか「足を攣ってしまった」だとか「腹痛が途中で起きた」だとか。レース後の課題克服のためには「走り込み不足だ」とか「もっと練習をやります」とかね。

うんうん。
練習をしないと速くなれないなら、ごもっともな反省と課題克服に向けた単純明快な発想だと思う。

でも、ちょっと待って。

後半に失速=走り込み不足?
足が攣ってしまった=走り込み不足?
腹痛が起きた=コンディション調整ミス?

失速したのは結果だから仕方がない。足が攣ってしまったのもね。
でも、それは本当に走り込み不足が原因で起きてしまった事象なのかな。

「ペース設定を間違った」とは思わないのかな?

それとも「目標タイムを出すためには目標ペースを刻むことが当然で、そのためには練習で目標ペースで走ってきたし、レースでそれを実現できなかったということは自分自身の走り込み不足なんだ」という考え方を自分から間違いだと認めるのがプライドが許さないのかな。

この反省から考え直せば、レースはもっと自分が思い描いたように展開していくことができるし、足を痛めることなく練習を積み重ねていくこともできるはずなんだけど。

「レースペースで練習した」とか言うから狂うんだよって思ったから、そこをちょっとだけツイートしてみたので良ければ一読を。

目標タイムから考えるペースは自分が目標としているタイムを出すための理想のペースであって、自分自身が本当に走れる実際のペース(実力)とは本質的に違うよね。

だからレースペースで練習したかもしれないけど失速したり足を攣ったりすることになるんだよ。

— いわたごう (@sakura2hanabi) January 30, 2020

さて、この「レースペース(レースで走ろうとしているペース)」と「目標とするペース」は違うことをもっと詳しく説明しないといけないわけだけど、説明をする前に有名な兵法書から言葉を拝借。

「戦術なき戦略は勝利に至るもっとも遠い道のりである」
「戦略なき戦術は敗北の前の戯言である」

兵法書『孫子』

「戦略」
戦いで勝つために兵力を総合的・効果的に運用する方法のことで、大局的・長期的な視点で策定する計画手段のこと。目標を達成するための方策やシナリオ。
※策定…方針を立て物事の処置を定めること。

「戦術」
戦いに勝つための戦地で兵士の動かし方など実行上の方策のこと。目標を達成するための具体的な手段、実践的な計画手段。

「大会で目標とするタイムを出したい!」という気持ちになり、「そのためにはこういう練習をする」と決めて練習をするわけだけど、それは戦略なだけであって目標を達成するための具体的な手段とは言い難いので、普段の練習は戦術なき戦略ではないのかな…と。

「目標タイムを出すためにレースペースで練習をすることは戦術じゃないのか!」という声が聞こえてきそうだけど。

そもそも目標タイムというものは自分自身が思い描く理想のタイムであって、実際に今すぐにでも自分が走れる実力のタイムではないし、その実力のタイムとする自己ベスト記録だって偶然に出たかもしれないタイムということを考えたら、雲を掴むような話だと思うんだけど。

いわた、意外と超現実主義。

できないものはできないし、できるように練習を積み重ねるわけだけど、できないものを練習するのではなくて、できる範囲の練習から強度を上げていく堅実派。
夢や理想はあっても、レースで思い描いた結果を出した先にあるものなの。

必殺技の「元アスリートだから…」は通用しない。

どこかの選手が大会前に「レースペースで練習しました!」なんて言ってる場面は知らないし、僕も競技生活を何年とやってきたけど目標とするペースで練習をしたことはあってもレースのペースだと思って練習したことはない。ましてやレースで「レースペースで練習してきた」なんて思ったこともないし、「目標とするペースを維持し続けるぞ」なんて考えながら走ったこともない。

大会は選手・気象・コース・体調に応じて臨機応変に対応し、レースはその日その瞬間の状況や流れに合わせて決めてきた。
(正確には決めてきたというより決まっていた。)

というのも、レースをコントロールしているのは勝者1人!

その中の一部、一人として走っているわけだから、思ったようにレースを進めることはなかなかに難しく、その中でスタート前に思い描いたペースで走ろうと思ってもそれ通りに走れることのほうが少ない。
(そんなことはないって思う人がいたらそれはラッキーです)

みんなの立てる戦略に間違いはなく、戦術がそこにあるのかどうかということ。

戦術をランニングに置き換えると練習ということになるわけだけど、みんなが実践している練習とは少し違うような気がするんだよね。

目標を達成するための具体的な手段・実践的な計画手段のことを戦術というわけだから、実践的な練習をすることが戦術と言える。

この実践的な練習として目標のペースで練習をしているんだと考えてしまうけど、目標としているペースは自分がやれるかどうかもわからないペースであって、自分自身ができるペースではないのだから実践的と位置付けるには無理があるのじゃないかな。

ようするに「自分自身の戦力(パフォーマンス)をどう活用するか」という概念がないから、実践的な練習をしているようでも身につかないし、身につかないからレースでも失敗(失速)することにつながる。

戦いで勝つために兵力を総合的・効果的に運用する方法が戦略なわけだよね?

この兵力を度外視した戦術(練習)は「戦略なき戦術」ということになるよね。

目標を達成しようと練習することはあっても戦術(練習)が自分の目標としているレベルなだけで、自分が走れるレベルから上げていこうというわけではないから戦術も戦術のふりをしているに過ぎないし。

自分自身のパフォーマンスから「どこまでやれるか」を考えて練習をすることで自分に合った距離に対するペースを知ることができるんだけど。

自分自身にあった距離に対するペースで練習を積み重ねていくことができるなら、レースがいかなる気象条件・いかなるコース条件であったとしても体調という条件を照らし合わせて最適なペースを選び出すことができるはず。

でも、それができないような練習を積み重ねてレースに出場し、目標を達成したいと考えているのなら、それはまさしく「戦術なき戦略」というにもなる。

練習がいかに重要で、いかにレースを想定できているのかも考えないといけないわけだけど…

「目標タイムが◯時間◯分だから」という理由で算出した1kmあたりのペースでも最大酸素摂取量から算出されたペースだとしても、それらで練習をすることによって「そのペースがレースで最後まで維持できるペースなのか」を考えないといけないし、それが維持できないということがわかるようならレースでのペースは考えないといけないね。

もう一度、書いておくよ。

「戦術なき戦略は勝利に至るもっとも遠い道のりである」
「戦略なき戦術は敗北の前の戯言である」

「目標とするペース(理想)」と「レースで走るペース(現実)」は違う。

そこを大切にしていかないといけないわけだから、練習は誰かの見よう見まねや理論通りにやればいいわけではないからね。

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