2020年 6月 14日(日)
なるほどねって思ったことがあるので紹介。
言語で表せる範囲がその人の認識世界。語彙が豊富であればあるほど知識は広がり、感情の機微も、複雑な人間関係も理解でき、世界が広がり、創造力も高まっていくのである。
日経ビジネス「9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ」
僕は日頃から教室やクリニックをするときに参加者へ「言葉は正しく使ったほうが良い」とか「専門用語風とか略語みたいなものは使わないほうがいい」と伝えているけど、この引用は抜粋だけど抜粋した記事の伝えたいことにものすごく共感できる。
特に参加の対象が小学生の場合には「練習をしましょう」よりも「本を毎日読むようにしましょう」と伝えてイベントを終了するようにしている。
その本が図鑑だろうが教科書だろうが辞書だろうが、本人が本と向き合って、本に集中する時間が5分でも10分でも作り出すことができるなら、学年が上がったとしても歳を重ねたとしても本を読むという習慣は忘れないという理由で。
本を読めないというのであれば、365日毎日のように日記を書いてほしい。
本を読んだり文章を書いたりすることで文章理解力が高まり、その言葉に潜む世界観を想像する力を養うことができるし、読んだり書いたりすればするほど「そういう表現があるんだ」と語彙力が高まっていくことも期待ができるからね。
小学生対象の教室をしていると僕が説明をしたときに、こちらを見て「うん」とすぐに返事をしてくれる子供は直後から動きを変わることが多くあり、本人の中に僕が説明したことと身体を動かそうとするイメージがリンクされているのかもしれない。
(そこから回数を重ねるほどに動きが良くなっていくことがほとんど)
運動神経が良いとか悪いとかではなく、運動能力を向上させるために「どうしたら良いか」を小学生なりにイメージできているかだし、そのイメージを実践していくことでその動作が上達していくので運動神経が良いと表現されることになる。
要するに「運動神経が悪い(ない)」のではなく、「その動作をしたことがないから慣れていない」というだけ。
これが大人の場合だと質が悪くなる。
「自分はやろうとしている」という気持ちや「言っている意味が解らない」と自分に非がないような表現をされることもあり、最も良くないのは「理解した振り」をしている場合があって「やろう」とする意志が伝わってこなくなるケースもしばしば。
(やろうとし続けている人はしっかりと伝わってくる)
こうやって書いてしまうと僕自身に非がないように受け止められてしまうかもしれないけど、僕自身も文章を読むようにしているし、映像や音声で何かを覚えようとするのは一番最後の手段として語彙力を高められるように勉強をしている。
それでも教室やクリニックで伝わらないケースも起こるから、言葉を変え、表現を変えて全員に理解してもらえるように気をつけているつもり。
(伝わっていない場合は何回も聞き返されるし、「なるほど」と言われるまで説明を続けています)
ちなみに、僕が薦められた読書法は「国語辞典を2種類読み比べる」だった。
それは置いといて。
競技生活から離れて僕が最初に就いた職業は塾講師だったけど、そこでは競技生活から得られたことを活かして子供達に勉強のやり方を教えることを求められ、塾長からは「国語ができるようになれば全教科の点数は上げられる」と教えてもらい、先生達がよく口にする「やればできる」の意味を教えてもらった。
国語力が上がれば全教科の点数が上がることを教えてもらう前から知っていたのは、子供の頃から本を読み、日記を書いていたからかもしれない。
(塾に通っていた頃の先生のおかげか…)
他にあるとしたら、高校時代に僕の近くにいた人達が理解力(読解・戦術理解・状況判断など)に長けていたことも関係しているのかもしれない。
(僕達の学年が「大人だった」と新聞記者さんから表現してもらったことがあるけど、当時の先生達や関係者からも言われるぐらいだから余程か)
そういった経験が僕の中にはあり、コロナ禍の影響で外出をする機会が減っている今はSNS(特にTwitter)のタイムラインをひたすら読み続けているから、読めば読むほど総合的な走力と語彙力に関係があると感じるようになってきたのは気のせいではないはず。
ツイート(Twitterに140文字以内の言葉を発信すること)の内容は個人の自由だから内容に関しては触れないけど、そのツイートで表現していることや表現に含まれる背景などが読み取れる人と読み取れない人がいて、語彙力の高い人は7割ぐらいの文字数で表現しているし、140文字をフルに使っても内容が少ししか読み取れないこともあり…
その「内容が少ししか読み取れない人」というのは同じケガを何度も繰り返していることがあったり、そのレベルからパフォーマンスを向上させられないでいる人が多くいたりすることもある。
もちろん、内容が読み取れる人の中にも「専門用語風とか略語みたいなもの」を使っている人がいることもあり、そういった人達は残念なことに同じケガを繰り返している傾向にあるのも事実。
この場合は語彙力に問題があるわけではないけど、その表現方法に問題があるのかもしれない。
そうなると…
子供達だけに限らず、大人であったとしても語彙力や表現力を高める必要があったり、表現方法に注意していく必要があるのかもしれない。