2020年 7月 10日(金)
コーチの存在って何なの?
(僕が言葉にすることではないけど…)
チームに所属する人達を練習をさせたり、勝負(記録)を意識させたり、トレーニングメニューを提案したり、とにかく走らせようとすることばかりがその役割なのかな。
…違うのにね。
そもそも「コーチ」の語源から学んだほうが良いかもしれない。
「コーチ(Coach)」という言葉の語源は1500年代の「馬車」です。
馬車の役割は、馬車に乗る人が望む目的地まで送り届けることで、その意味が転じて、教育やスポーツなど様々な分野で「個人や組織の目標達成をサポートする存在(送り届ける存在)」として認識されるようになったそうですよ。
コーチ、コーチって呼ばれたり呼んだりしていると思いますが、上記のような意味がある知っていましたか?
そして、「目標達成をサポートするという意味なら間違っていない」と思う人も中にはいるかもしれないけど、コーチから指示を出したりコーチが先導をしたりするのは意味が違います。
コーチとはクライアント(依頼主や指示を仰ぐ人)がいないと成り立ちません。
コーチングというのは目標達成のために何かを提示し、クライアントがそれを模倣してゴールを目指すものではなく、クライアントがゴールを提示し、そこを目指すために必要な答えを臨機応変に提示することをコーチングと呼びます。
そのゴールへ到達させるための答えはコーチが持っているのではなく、クライアントの中にある場合が多いと僕は考えています。だからこそクライアントとコミュニケーションを取り、クライアントが望むゴールを正確に把握することで到達させるための答えが見つかります。
いわゆる「同じ目線でゴールを目指す」というわけです。
世の中にたくさん存在するコーチや自分自身を始動してくれているコーチはどうでしょうか。
ですが、クライアントが定めたゴールであっても心から望んでいない場合も考えられるため、思ったようにゴールへ向けて進まないこともあるので五感をフルに活用し、クライアントが本当にそのゴールを望んでいるのかを確認する必要があります。
なぜなら、クライアントの言葉に気持ちがこもっていなかったり、熱量を感じることができない場合はコーチングも適切なものではなくなるからです。
さて、冒頭の「コーチの存在って何?」です。
コーチはクライアントに指示をしたり先導したりするのではなく、クライアントの本音を引き出し、クライアント自身が主体的に行動するように促すことがコーチの役割になります。
何も練習をさせることだけがコーチの役割ではありません。練習をやり過ぎているようであれば練習をやらないように提案するのもコーチの役割です。しかもそれは「個人個人のパフォーマンスに合わせて」です。
僕はクリニックで講師を担当すると高い確率(ほぼと言える確率)で「こんなに練習をさせようとしない脱力系コーチはいない」と言われます。
それは一般ランナーと呼ばれる人達がオーバートレーニングになるほどの練習量を実践していることから、練習をやらないように提案しているのだから当然ですよね。
※ 練習をやらないように提案してはいますが、その中で練習プランの提案はしています
それにしても、望む目的地まで送り届けるのが「馬車」の役割だったかもしれないけど、現代で考えるなら「タクシー」ということですよね。笑
タクシーは taxo → tax → taxi らしいけど、taxo は「評価する」という意味の tango に由来するみたいですよ。
(指導内容に評価点があったら taxi と呼ばれるかもしれない?)