2020年 7月 28日(火)
練習プランって誰が考えているんだろう?
ダニエルズの理論を実践している人やマフェトンの理論を実践している人もいて、中にはリディアードの理論を実践している人もいるんだけど、トレーニングプランを実践しているわりに発案者が「これだけは守ってね」ということを守れない人がいるように感じます。
それぞれに決まり事のようなものがあるのに…
その決まり事のようなものを守れずに練習をしている限りはオーバートレーニングにもなるし、「これをやれば速くなれるんだ~」と思っているかもしれないけど高い確率でそれはないから高望みしないように。
「走った距離は裏切らない」「やればできる」「努力は報われる」という言葉が幻想のものになってしまうだけですよ。
(その言葉を使える人や当てはまる人には条件があるので注意しよう)
さてさて。
トレーニング理論の話を出したのは、一般ランナーを相手に練習プランを立てるコーチを含め世間では速いとされる人達が推奨するメニューについての考え方に問題があるから気をつけたほうが良いかもしれないって思うからです。
「どうして問題があるのか」についてはオンライングループで展開しているので触れませんが、目標タイム達成は簡単に「こうだよ」と説明して解決するようなものではないということが理由です。
参考例を挙げておきましょうか。
A君とB君が学力テストで同じ点数(例えば70点)だった場合、A君とB君の得意な問題と不得意な問題がまったく同じとは限らないので正解不正解はまったく同じところになる可能性は高いとは言えません。
これは教師が教鞭を取った内容がA君やB君だけではなくクラスの全員が理解していなかったり問題が難問過ぎた場合を除いて考えられることは、A君とB君が理解している部分や理解できていない部分が違っている可能性もあることから、ミスが発生して不正解となっている問題も同じであるとは限らないわけです。
なので、A君とB君の成績を上げるためには二人の得意な問題と不得意な問題を把握しつつ、理解できていない部分やミスが発生した部分に合わせて勉強をする必要があるので、二人が同じカリキュラムに沿って同じ勉強方法を実践しておけば成績が上がるわけではないということになります。
(これに対しては集団型学習塾と個別指導型学習塾にメリット・デメリットがあるし、個別指導の場合は担当する指導理念や指導方針も関係する)
これはランニングにおける誰かへ指導する場合でも同じです。
学力テストをマラソン大会、同じ点数を持ちタイム(自己ベスト)、得意な問題や不得意な問題を得意な条件(練習)や不得意な条件(練習)、ミスは課題や対策を練ったほうが良い点などと置き換え、カリキュラムは練習メニューとして置き換えてみましょう。
マラソン大会において似たようなタイムで走った人達や違う大会で出した持ちタイムが似たような人達の得意な条件(コースや天候)や不得意な条件は同じではないはずなのに、同じ練習メニューや設定タイムを同じに練習をして良いわけはありません。
それぞれが対策を練っていかないと、それぞれの目標はクリアできないということです。
(結果としてできる場合があるかもしれませんが、次のレベルで同じことで悩みます…)
確かに集団で練習することは周りからの目もあるので手は抜けません。そういったメリットがあるものも十分に承知していますが、そのメリットと同等かそれ以上にデメリットもあるということを忘れてはいけません。
世の中には練習方法等を提案するランニング専門誌や一般ランナーを相手に指導するランニングコーチが増えましたが、どれを見ても同じような練習しか提案されていないことに気づくはずです。
(たまに別のことを説明している場合もありますが、その説明も必ず全員に当てはまるものではありませんし、説明の内容と実際に得られる効果などが違っている場合もあります)
なので「練習メニューを立ててもらいました」と言っている人の練習メニューを1週間でも追いかけると「あぁ、〇〇さんが組んだメニューかもしれないなぁ」という想像がつくばかりか、その人がSNSで発言している内容を見れば確信に変わることもあります。
ワンパターン…
「そんなに誰も彼も同じとは限らないでしょ」というのが本音ですが、これは別に「誰かに組んでもらった」という場合だけに当てはまる話ではありません。
誰かの練習メニューを見て「やってみて」とか「やってみよう」という感じで自分自身の練習プランに取り入れる場合でも同じです。
結局は「大切なことが抜けている」ということに変わりはありません。
要するにそこを理解したり体感していかないことには「同じやり方」では成長していけないということですし、その調子で練習しているようでは目標タイムが高くなるほどに練習強度や練習量が膨大な量となり、それだけの疲労を回復させられるだけの状態に身体がなっていないから身体を痛めたり体調を崩すことになるのが予想されます。
僕はトレーニング理論の本に目を通すことがありますが、それを参考にしてしまうとコーチとしての醍醐味がなくなったり、指導してもらいたいと考えている人達に良いものを提供できない可能性があるので参考にしようと思ったことはありません。
できるだけ自分自身で体験したことや周りにいるたくさんの人達から導き出された結果を頼りに指導するものを身につけているつもりですが、それらがすでに出回っているトレーニング理論のものと類似していることが多々あるからです。
だからこそ僕のトレーニング方法ではなかったとしても「それは危なっかしいなぁ」と感じてしまうような練習を実践している人達が目に付くのかもしれませんね。
「大切なこと」を少しでも押さえておいたほうが良いと思います。
「なんであの練習で記録を更新できるの?」「あの練習量でどうしてケガしないの?」に共通するのは「大切なこと」が守られているケースがほとんどですよ。
一生懸命に練習をすることが悪いわけではありませんが、必ずしもその練習がレースで役立っていない可能性もあるということを考えてみたほうが良いかもしれませんね…