2020年 2月 11日(月)
野村克也さんが亡くなっちゃったね。
享年84歳。
元プロ野球の監督・コーチで選手時代には史上2人目の三冠王にも輝いたことのある名プレイヤー!
何人もの選手を育てた慧眼もすごいけどチームや選手を立て直すことにも長けていて、何度もチームを日本一へと導いた指導法はすごかったなぁ。
その指導法は練習の部分よりも練習以外の部分がすごかったんだと思う。
(練習がすごいのはプロなんだから当たり前。)
「すごかったんだと思う」と書いたのは直接聞いたからではなく、インターネットで野村克也さんの指導理論を知ったからだけど、いかにすごかったかはその記事を読んだらよく分かることなんだけど。
簡単に説明すると。
野球というプレイ以外の部分を見直す(ルールを知る・戦術や戦略を理解する)ことでプレイの質を上げることができるというもの。
結果が求められるから練習をするのは当たり前。自分自身に与えられた役割は時と場合によって形を変えるから、自分に出番が回ってきたらどのようなケースであっても最善を尽くすのも当たり前。
そのために練習をして準備をしている。
ランニングをしている僕らはどうか。
自分にとって都合の良い形でしか練習をせず、目標はあくまで理想なだけであって、「風が強いから」とか「雨が強いから」とか「暑いから」「寒いから」と天候を言い訳にしてみたり、「起伏がすごくて」とかコースを言い訳にすることだってある。
「足を痛めたから」とか「体調を崩した」などの言い訳は変えられない環境ではなく、生活や練習をしてきた自分自身のコンディショニングの問題なんだけど。
「自分にとって足りないもの」とか「長距離を走るために必要なもの」が何かを学ぼうとはせず、「良い結果を残すためには」という考え方を取り込もうとしない。
「良い結果を残すための練習」も大事だけど、足りていないのは「良い結果を残すための考え方」だと気づかないと。
考え方(知識・戦略・戦術)は足りていると思ってる?
仮に良い結果を残すための考え方が足りているとして、良い結果を残すための練習が足りなかったとして、レースに対する戦術や戦略はそのままに練習量を増やしてみても同じようなレース展開をした場合…
本当に足りなかったのは考え方なのか練習なのか。
野村さんが言っていたことは僕らに置き換えるとそういうことだよね。
僕はコーチをやり始めたときから「一般ランナーに足りないのはランニングに対する考え方」だと一貫して説明してきたわけだけど、それから10年近く経ってさまざまな理論が出てきてはいるものの知識が追いついているかというとそうでもなく、偏った考え方をしていたり正確に本質が伝わっていないこともがまだまだある。
本当に良い結果を出したいのなら。
本当に今よりも快適に走りたいのなら。
今こそ野村さんが言われていたように「ランニングを楽しむ人達が理解力を高める」ということを実践すべきじゃないのかな。
競技は違うけど守らないといけないことは同じだから、今日という日をきっかけに1日のうちにほんの少しだけでも「ランニングに対する知識」を身につける時間を作ってみてはどうだろう。
ご冥福をお祈り申し上げます。