2020年 4月18日(土)
疲労抜きジョグって言葉、不思議な言葉に聞こえるなぁ。
大会が終わってから数日間、負荷の高い練習をやった翌日に練習として取り入れる人達がいるけど、走って疲れを溜めたのに走って疲れが抜けるということはありえるのかな…と思うわけです。
アクティブレスト(積極的休養)と考えればそれはそれで良いのかもしれないけど。
アクティブレストは「安静・休養・睡眠などの静的休養法に対して、 疲労時に軽く体を動かすことで血流の改善を図り、疲労物質の排出を促すこと」という意味だから、走って疲れを抜くと考えられなくはない。
でも、いつもと変わりないペースで走ったら、それは疲労が抜けるというよりは通常通りの練習をしているだけに過ぎないんじゃないのかな、と。
それは置いておいて。
「疲労抜きジョグをしたから身体が軽くなった」というコメントを見かけたりするけど、それは身体を動かすことによって筋温(心拍数や血流量)が上昇して身体が軽くなったと錯覚しているだけに過ぎないはず。
いわゆる、大会のスタート前や負荷が高い練習をする前に行う「ウォームアップ」をしたのと同じ状態になっているってこと。
ウォームアップをすることで筋や関節が温まり、関節可動域が広くなっていく。心拍数や血流量を徐々に上げることで心臓や肺への急激な負担を避けることもできるというもの。
疲労を抜くためにのんびり(これが重要)と走ることでウォームアップと同じように筋や関節が温まり、筋肉が炎症を起こしていたり筋疲労の状態が和ら名いだように感じるから「疲労が抜けた」と錯覚しているに過ぎないんじゃないのかな。
僕はジョグをそこまで重視してはいないけど、ジョグをするときは「疲労を抜く」ではなく、「コンディションを確認する」という作業をすることが多い。
前日までに取り組んだ負荷のかかる練習をしたダメージがどれだけ身体に残っているかを確認するためで、その疲労度合いによっては次に同じ練習をするときの基準(練習強度や練習量をどうするか)になるからだけど。
そうすることで自分に適した練習強度や練習量を常に確認することができるし、常に確認しているということは負荷をかけ過ぎて身体を痛めるということを避けることもできるしね。
(自分で強度や量を線引きしてしまう可能性があるというデメリットはあるけど、怪我をしないことが最優先だから気にしない)
それを身体が温まって「疲労が抜けた」と勘違いしているから、また次に負荷のかかる練習をしたときに身体へのダメージが前回以上に大きくなって身体を痛めることになるんじゃないのかな。
練習強度や練習量は計算しているようだけど、自分の身体に備わっている回復力があどれほどのものなのかも計算のうちに入れないといけないし、「この強度で練習をしたらこれだけの期間は休養が必要」「この距離で練習をしたらこれだけの期間は休養が必要」と考えた上で練習は考える必要があるよね。
間違った言葉を使っていると間違った認識になってしまうので、結果として自分自身が望んでいる効果とは違うものが身体に蓄積されている可能性もあるから見直してみたらどうだろう。