2020年 4月 28日(火)
前門の虎 後門の狼
ことわざ辞典より
この言葉を正確に理解している人が少ないということを知った。
「それぐらい知っているよ。前に虎がいて、後ろに狼がいるんだろ?」と思っている人がいるかもしれないけど、説明をこれぐらい簡単に済ませてしまう人の多くが「挟み撃ちに遭っている状況」をイメージしている。
それ、ちょっと違うからね。
「前門にいる虎を追い払っている間に後門から狼が忍び寄る」という中国の故事が由来することわざで、似たようなことわざだと「一難去ってまた一難」が当てはまる。
次から次へと問題が生じることを表しているから、今の状況だとwithコロナからのafterコロナが当てはまるだろうね。
withコロナという今の状況に振り回されていないで、次のafterコロナも視野に入れつつ、今はどうするかを冷静に対処していく必要があるんじゃないのかな。
今の状況に自粛を決め込んでいる人がいるけど、自粛をして事態が落ち着くのを待っているだけでは時間がもったいない。落ち着いた後にどうするかをしっかりと今のうちに考えておこうじゃないの。
そんなわけで…
心こそ 心惑わす 心なれ
沢庵宗彭 不動智神妙録(ふどうちしんみょうろく)より
心に心 心許すな
心心心…と意味が解らなくなってくるけど、「心こそが心を惑わすものになる。自分の心に思うことや感じること、自分の心の動きに心を許すな」ということらしい。
沢庵 宗彭(たくあんそうほう)は但馬国出石(現兵庫県豊岡市)生まれの臨済宗の僧で、不動智神妙録は禅を用いて武道の極意を最初に説いたとされる書物とのこと。
(武術から武道への流れを作った…のかな)
長距離を走っている人にもすごく大切なことだと思うんだけど。
喜怒哀楽の情に振り回されて、自分自身を見失ってはいけない。むしろ、自分が心の主人となり、自分の心を制御できるように努めないといけない。自分の心をいかに保てるか。
レース中や練習中に「あ、これは調子良いかも…」と調子に乗ってしまうと終盤になって後悔をすることがほとんどだから、走っている最中はいかに感情を乱すことなく走り切れるかどうかが大事になるよね。
今のご時世だって同じじゃないのかな。
「マスクを着用したほうが良い」とか「マスクは着用しない」とか、マスク着用の効果がどうのこうのって話があって、それぞれに対して「着用して走ったら良いというものではない」という意見や「マスク着用の効果はない」とか、とにかく一つのことに対して必ず意見がまとまらないでいるんだから。
大切なことは「どうしないといけないのか」ということだし、「それでもやりたいと思うなら人との近接を避けるべき」で「避けられないなら時間を考えろ」ということ。
まぁ、しばらくの間はトレーニングをしなかったところで問題はないように思うけど。
「トレーニングはできる範囲で続けよう」とは思うけど「今、トレーニングをしないといけないんだ」とか「この時期のトレーニングが今後につながるんだ」という意見には納得いかないね。
ほんの少しでもトレーニングができない期間があるとパフォーマンスが低下してしまうというのなら、トップアスリートは身体を痛めてしまったら二度とその世界には戻ってこれないと思っているわけだ…
もしそう思っているなら、アスリートのどこを見て、何を学んでるのかって話。
もしそうなのだとしたら、練習メニューばっかり見て、アスリートの何も見てないって話。
パフォーマンスが低下したなら、低下してしまったそのレベルから少しずつ強度を上げて以前のレベルへとトレーニングしていくんだよ。
伸びが低下した現状からのレベルアップには途方もない努力が必要だけど、トレーニングの低下が影響して招いてしまったパフォーマンスからは現状のレベルに戻すことに通常の努力ほどの時間は必要ない。
そういうことも理解していないのだったら、トレーニングの基礎からやり直したほうが自分のためだと思うなぁ。
「事態が落ち着いたときに今まで以上のパフォーマンスを発揮するため」を考えて今はトレーニングを積んでいるのだとしたら勘違いもいいところだし、そういう考えをする前に気づいてもらいたいことがある。
スポーツを楽しむ人という以前に、一市民に過ぎないって自覚しようね。